
はぁ〜。昨日は仕事が忙しくて、お家に帰った後無意識にご飯を食べすぎちゃったよ…。

帰って来る時間遅かったものね…。そんな時つい食べ過ぎちゃうの、分かるわ。でも自分でコントロールできない行動は体に良くないわよ。

『過食』っていうんだよね。防止することってできるのかな?
『過食』という言葉を知っていますか?
お腹が空いた。ストレスを感じる。自分へのご褒美。などなど。私たちは様々な理由からついつい食べすぎてしまうことがあります。
これはある程度は仕方がない。
ですが、自分でコントロールができないと感じるならば要注意。
この記事では過食とその原因、対策について解説します。
①『過食』とは?
『過食(かしょく)』とは摂食(食べること)をめぐる問題行動の一つであり、「身体が必要とする食事量を大きく超えて、大量の食べ物を短時間で摂取してしまう状態や行為」を指します。
別名『ドカ食い』『むちゃ食い』『ビンジ・イーティング(Binge eating)』など。
『過食』は単なる「食べ過ぎ」とは異なり、自分の意思でコントロールできない衝動的な行動である点が最も大きな特徴です。過食を繰り返すことで体重増加を招き、結果肥満の原因となります。
『過食』の主な特徴
・空腹かどうかに関係なく衝動的かつ大量に食べてしまう。
・普通の食事よりも速いスピードで食べてしまう。
・満腹感や身体的不快感を感じても食べ続けてしまう。
・食べることをやめられず自分をコントロールできない感覚がある。
・食後に強い罪悪感や自己嫌悪を感じることが多い。
・一人で隠れて食べることが多い。
・食べることに多くの時間や体力を費やし、生活に支障が出る。
「分かっているのにやめられない」というのは、とてもつらい状態ですよね。
②過食の種類
『過食』を伴う摂食障害は次の2つに分けられます。
1)過食性障害(binge eating disorder)
「食べることをやめよう」と思っても自らをコントロールできず、強迫的なほどの過食を繰り返す点が特徴。この時神経性過食症のような嘔吐や下剤乱用などの排出行為は伴いません。
過食性障害の判断基準
引用:銀座心療内科クリニック
・過食(むちゃ食い)が繰り返されて、通常よりも明らかに多い量を食べ、食事をコントロールできない感覚がある。
・過食時は、次のうち3つが該当する(通常より食べる速度が早い、不快なほどお腹いっぱいになるまで食べる、空腹感がないのに大量に食べる、過食を見られたくなくて一人で食べる、過食のあと罪悪感を感じて落ち込む)
・過食について精神的な苦痛を感じている。
・過食が3カ月以上、平均週1回以上起きている。
・過食は、嘔吐などの代償行動を伴わず、神経性拒食症や神経性過食症などの期間中にのみ起きるものではない。
カロリーを過剰に摂取した結果、過食性障害の人はほとんどが過体重または肥満の状態となります。
2)神経性過食症(bulimia nervosa)
過食をコントロールできない点は過食性障害と同様で、その埋め合わせとして自己誘発性の嘔吐や下剤乱用などの排出行為を行う点が特徴。
過食をしながらも過度に体重を気にしたり、体重の変動が激しかったりする場合は神経性過食症が疑われます。
神経性過食症の判断基準
引用:銀座心療内科クリニック
・過食(むちゃ食い)が繰り返されて、特定の時間帯に、他の人が食べる量よりも明らかに多い量を食べてしまい、食事量をコントロールすることができない感覚がある。
・体重増加を防ぐために、嘔吐や下剤の利用など不適切な代償行動を繰り返している。
・過食や代償行動が、ともに3ヶ月以上、平均週1回以上起きている。
・自己評価が、体形と体重の影響を過度に受けている。
・過食は、神経性拒食症の期間中にのみ起きるものではない。
特に若年性の女性に多く、体重は正常体重付近を上下する傾向があります。
③過食を招く要因
過食は単一の原因で引き起こされるのではなく、様々な要因が複雑に絡み合って発症します。
主な要因は以下の通り。
・ストレスや不安、うつ状態
ストレスや不安、抑うつといった精神的な要因が過食の大きな引き金となります。
過食は一時的に精神の苦痛を和らげる手段として用いられ、精神的負担から自らを守るための『不適応的な対処法』として習慣化します。
・自己イメージのギャップ
自分という存在に対する否定的な見方や無価値感が、過食行動を引き起こす原因となることがあります。
・脳の報酬系の関与
甘い食物や高脂肪食を摂取すると脳内で快楽物質(ドーパミン)が分泌され、食べることによる快感が強化された結果依存的な過食行動を引き起こします。
・社会、文化的な要因
「痩せていることが美しい」とされる社会的価値観やメディアの影響、ダイエットを推奨する文化が逆に過食を誘発することがあります。
こういった場合「美しい」と他人に定義された体を持たない自分を否定し、傷つけようとする心理が根幹にあります。
・ダイエットや食事制限の反動
無理なダイエットや極端な食事制限の反動で、食欲が暴走し過食に陥るケースもあります。
せっかくダイエットを頑張ってもストレスからドカ食いしてしまっては元も子もありませんね…。
④過食への対策
健康に被害が及ぶほどの『過食』は、立派な疾患です。
主に心理的な要因が絡んでいるはずなので、『心の風邪』と言い換えてもいいでしょう。
この風邪をひくと、どんな人間でも自分をコントロールすることはできません。
なのでいざとなったら専門家を頼ることに負い目を感じる必要はまったくありません。
食事がコントロールできず体重や日常生活に支障が出る場合、医療機関やカウンセラーへの相談を検討しましょう。
そして頑張って日々を過ごし、ストレスを貯め続けている自分を守るための行動を、自分自身で責めないことが何よりも重要です。

まずは自分の行動を変えたいと思う方は、以下の点に気を付けてみるとよいかもしれません。
1)自分のパターンを知る
どんな時に過食しやすいかを把握し事前に気が付けるようにしてみましょう。
過食に気が付いた後は無理に自分を押し殺して我慢するのではなく、その後の食事はカロリーや脂質控えめの食べ物を選ぶなど行動パターンを少しずつ変化させていきます。
2)食事に代わる行動を用意してみる
過食以外のストレス解消法(散歩、読書、友人と話す、マインドフルネス、運動などなど)を複数持つことが重要です。
今なくても大丈夫。少しずつ探していけばいいのです。
3)高カロリー食品を手の届かない場所に置いてみる
自らの手で環境を整えることで、衝動的な過食を防ぎやすくなるかもしれません。
ここでも変化は焦らず、少しずつ。
以上。本日は『過食』についてまとめてみました。
管理人には「過食ではないか?」という行動を繰り返す友人がいます。
彼はダイエット中でも無意識に食べ物を詰め込む自分の行動に自己嫌悪していますが…誰しも美味しいものを目の前にして我慢するのは大変ですよね。
まずは普段節制した生活を送っている自分を褒めてあげてほしいなと、管理人はそう感じます。
行動の改善は少しずつ行えばよいのです(明らかな健康被害がない場合)。
この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。今日も良い一日を。


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